8/10

本日はお約束通り…「商船三井」(9104)を追加で…100株だけ、寄り付きで買いました。でも読者からは「川崎汽船」(9107)の方が、良いのではないか?と言うメールを頂きました。その主な理由が発行済み株式総数の話です。

郵船と商船三井、そうして川崎汽船の3社が共同でONE(オーシャン ネットワーク エクスプレス ジャパン株式会社)を2017年10月に設立しました。

もともと…コンテナ船は、長い間、業績不振で赤字の垂れ流しでした。そうして我が国の海運業は規模が小さいのです。その為に業務の効率化が必要になり…3社のコンテナ部門を纏めて競争に挑もうとしました。しかしこの3社が纏まっても…世界レベルでは6位と言う規模で、APMマースク(デンマーク)の規模の37%程に過ぎません。近年は中国のCOSCOが勢力を伸ばしています。ただアジアと北米の航路だけに限るならONEのシェアは15%程度になるようです。最近の数字は分かりませんが、更に上がっている可能性があります。此方の資料を参考にしました。

アジア北米航路のシェア

米国のペントアップ需要により中国から輸入が増大し、ここにコロナ禍の港湾事情も重なり市況が大幅に上昇し「濡れ手に粟」の状態になっているのでしょう。通常は、夏に米国から中国に製品発注がされますが、今年はコロナ禍で港湾事情が逼迫して、クリスマス商戦に間に合わないと言う通説が信じられ…さらに市況の逼迫に拍車がかかったのでしょう。

カタルが「ITバブル」の話を持ち出したのは、一時的な相場高騰の仕手戦が演じられると言う読みがあります。

木材の先も相場の推移

少し…良識のある投資家は、今回の相場が「一過性の動き」だと理解しています。FRBの一時的なインフレ観測に似た観方です。確かに今年の春のように…木材の先物相場のように…一時的な上昇の可能性があります。FRBの主張は、米国の物価高の大きな要因の一つに中古自動車の相場の高騰が挙げられています。

高止まりする半導体市況(DXI)

半導体の不足が言われ…ここにコロナ禍が重なり新車が不足しているので、中古車が一時的な需要の高まりで…相場が上がっているために、全体の物価水準も上昇していると言うFRBの観方です。この観測が市場では支持され、サマーズ元財務長官らの主張するインフレ観測が下火になり…米国の国債金利も下がりました。

しかし…米国では家賃も上昇し、人件費の上昇も話題に上る機会が増えています。

ここに来て、雇用統計値が2か月連続で93万、94万…となったので、早期のテーパリング説が浮上しています。脱炭素化もこの話に関連します。古い船舶は大量の炭酸ガスをまき散らしますから、当然、規制の対象になり、近年はLNG船などの建造が進んでいます。

海運相場は米国の消費動向と関連性が高いですからね。そうしてコロナのデルタ株の話が、どう影響をするか? この辺りの読みが海運相場に大きな影響を与えます。

仮に米国民の賃金の上昇が確実なら…可処分所得の関係もあり消費は更に活発化して、船舶需要も一過性の増加と言えるかどうか…。このコンテナ不足が高い相場水準で、半導体相場と同じように…高止まりするなら、更に海運株は株価ステージを大きく変えることになります。何しろ、新規の船は簡単に創れません。通常は2年程度掛かります。早くて2023年に新しい船が増加されます。この時間差です。

今でも決算短信を見る人など…皆無に近いのです。9月15日に四季報が発売され…多くの投資家は、ようやく…その利益の高さに驚きます。その後も状況によっては…海運相場は簡単に下げず…半導体のように高い水準が続くなら…相場のスケールが大きく変わることになります。

しかし…カタルは「一過性の博打株」としての推奨です。

それでも…いくら何でも商船三井の株価は1万円でも安いと思っています。だって…常識で考えてください。2008年の過去最高利益が1903億円で、その時に株価は20400円と2万円を超えたのですよ。

既に1Qの実績値が1041億円です。7月30日の段階で通期の増額と増配を決めたわけですから…当然、その予想数字を上回ります。だって新規の契約は既に年末の分まで読めるのです。こんな事は常識です。

過去最高の利益を計上し、株価が2007年に付けた2万円の半分以下と言う論理は、あり得ません。何しろ…配当を550円払っても2000円以上の内部留保が蓄積されます。もう1万円相場は…確定でしょう。こんな事は社会常識のイロハで…小学生でもわかり理屈です。故に早い者勝ち、早く決断をした方が有利です。株価が1万円以上になるのに…今なら7000円以下で株が買えるのです。

相場が続き…年末になるとどうなるか? 

その辺りが分岐点になります。しかし通常アノマリーと言う現象があり、ITバブルとカタルが今回の海運相場を比較したのは、来年の2月まで相場が過熱する連想を頭の中でイメージしたために…ITバブル期のソフトバンクを持ち出したのです。あの相場を今回の海運株に当て嵌めて…海運株の相場をイメージしています。

故に「買い増し」あるのみ…なのです。緩んでは行けません。どんどん強気に攻めましょう。

この海運株が上がると…他に相場が波及します。どの株も反転をして上がります。雁行型経済とは、リーダーが群れを引っ張るのです。その先頭を走るリーダーを追うのが相場論の鉄則です。

そこで…冒頭の川崎汽船の論理です。

この読者は利益の源泉がONEの分配金にあるから、海運3社の発行済み株式総数で割るのが正しい利益分配の観方と言う見解です。郵船は1億7005万株、商船三井は1億2062万株、川崎汽船は9393万株ですから…出資比率38%、31%、31%だと…100の配分に対して一株利益の分配金の価値は…、郵船は38/17005=22.346、商船三井は31/12062=25.700そうして川崎汽船は31/9393=33.003となり、一株利益で観たONEの分配分の効果が一番高いのは、川崎汽船だと言う論理なのでしょう。なるほどなぁ~と思います。

しかし…今回の3社の決算短信を観ると、郵船は営業利益をかなり計上しており、たぶんONEを設立するときに、コンテナ船部門をすべて移管してない可能性もあります。あるいは…他の部門で収益を上げています。

更に…過去の相場と言うのは価値があるのです。相場の需給バランスと言うのは、既存株主の安定株主構成も影響を受けます。過去の相場で仕手性が発揮されているなら、その株主構成が良好な場合があります。

しかし…この読者は「仕掛け人」の話も述べていました。川崎汽船は村上ファンドが関与している可能性を指摘していました。つまり「ものを言う株主」の圧力を受けて、儲かった時には、ものを言う株主から、株主還元を大幅に求められる可能性もあります。東芝のケースです。

株価は様々な要素で構築されており…この3社の中でどの選択肢が正しいか? 謎解きのようなものです。

どっちにしても3社の株価は連動することは間違いありません。証券マンが使う手口で、同業の株を何回も入れ替えて手数料稼ぎをします。

同じことですが…郵船を持っている顧客には郵船を売って商船三井を買わせ、商船三井を持っている顧客には川崎汽船を買わせ…川崎汽船を持っている顧客には郵船を買わせて…この順番でグルグル回ります。手数料稼ぎをするために同じ業種で…銘柄を入れ替えるのです。これは証券マンの常套手段の一つです。みんなノルマを抱えています。

あっちの水、こっちの水…と蛍のように…お金が飛び回り…やがて市場も活性化して行き、再び日経平均株価は3万円台を回復します。この流れが始まった可能性が高く見えます。

だいたい1Qの段階で、通期の数字を増額修正することなど…長く相場を観ていれば分かりますが…あり得ない現象なのです。サラリーマン根性が染みついた日本人ですよ。絶対に、この時期は駄目なパターンの布石を打って、保身を図るのが日本人なのです。

ほら…「シックHD」(7365)も800円台を回復してきました。800円以下は絶好の買い場、4桁以下なら何処でも買い場です。

皆さんは株価が上がらないと買いませんが…もう上がる株は事前に決まっています。だんだん…企業業績の改善が確かな自信に変わり…日経平均株価を3万円に押し上げ…更に4万、5万と押し上げます。

この論理的な背景をカタルは何度も事前に解説しています。内部留保の475兆円の意味が理解されてないと…日本株の正しい把握が出来ません。世界の中で、ただ一つ、永遠と40年近くも「清貧思想」を貫き…ようやくその呪縛から解放されるのです。日経平均株価は10万円を目指します。

海運株の市況が一時的ではなく…高止まるなら、自社株買いも視野に入るでしょう。何しろ…発行済み株式の半分を買っても「おつり」が来ます。一株利益が4000円なら1000円を配当して3000円を自社株買いに充てても良いのです。凄い利益ですよ。

馬鹿は1万円に株価がならないと信じません。しかし自分で決算短信を確認すれば…驚く利益水準です。もっと買いたいなぁ~。お金が欲しいのです。エイ…無理をしてもう100株だけ商船三井を買います。ハイ、6870円で100株のお買い上げです。嬉しいな。また増えた。それでは…また明日。



amazon.co.jp 全品に拡大 無料配送キャンペーン実施中!詳細はこちらをクリック。

関連記事

  1. 2015.05.21

    05/21
  2. 2022.08.30

    8/30
  3. 2023.12.13

    12/13
  4. 2024.11.22

    11/22
  5. 2021.02.03

    2/3
  6. 2015.10.02

    10/02
2024年11月
« 10月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
株式投資関連の本