読者の話を聞いてみると…カタルの真意が、どの程度、理解できているのか、疑わしく思います。カタルは上京以来…1989年ですから26年になりますね。失われた時代下で歩合セールスとして努力を重ねました。土曜、日曜日もなく、毎日、新規開拓と、株の勉強に明け暮れたのです。一時は、1年近くも、国会図書館に通い歴史の検証をしました。上京した当初は、勉強不足を感じ証券アナリスト試験に向け、専門学校に土日や夜に通い、平成5年かな? 資格を取得しましたが…、結局、日本株は駄目でした。それはデフレ政策の為に、どんどん希望が失われていくわけです。 先日まで放映されていた「下町ロケット」の作者、池井戸潤は、三菱銀行に1988年に入社し1995年に退社し作家になりました。
半沢直樹シリーズも、テレビドラマ化され当たりましたね。折角、意欲を持って社会に出ても駄目で…、後ろ向きの不良債権処理にあたらされ…この社会構造に嫌気がさして、中国など、陽の当たる国(インフレで前向きな意欲ある国)に、日本を捨て出稼ぎに行った若者も多く存在します。あのドラマは事実です。銀行は約束を守らずに…兎に角、債権回収に走ました。2003年に、みずほ銀行は倒産すると言われるほど…損失を積み上げたのです。これは全て歴代の政策主導部が、バカ政策を実行したためです。みんなが希望を失い、もう日本は駄目だ…と考え、日産は、タイに大衆車マーチの生産移転を決めました。本来、量産車は利幅が少なく、輸送コストがかからない国内で製造するのが筋だと思います。しかし人件費の絡み、製造コスト、税法などを考え、移転したのですね。
この陰で日本村論理は、なかなかしぶとく、生き残ります。基本的に官僚が食うために、○○協会など…いろんな組織を作り、その理事長職などに就きます。そうして企業から集金しています。日本鉄鋼協会など業界の利害を守るために、政治などと厚いパイプが存在します。例えば、トヨタは新日鉄から薄板鋼板を買っています。本来、市場原理からすれば…安い所から仕入れればいいのですが…村論理の為に互いに助け合っています。
トヨタが国内自動車生産の300万台維持に拘るのも、日本と言う国に雇用の場を維持しようと努力している訳です。車は軽いほど燃費性能が上がり、最近は一部ですが、炭素繊維などが使われています。アルミもそうですし、ファイバー製の車もあります。村論理に縛られ、直ぐに切れないのです。江戸時代から続く、日本の村論理です。互いが観察し合う共産主義的な匂いが存在します。
このシステムを維持するために、法改正が行われ異端児は排除されます。それが国策逮捕という事例ありますね。公正公平が基準ではなく、村論理を維持するために、滅多にありませんが、時には道理が捻じ曲げられます。先日、亡くなられた山崎豊子は、実話を元に小説を書いていました。運命の人は、毎日新聞社の西山さんがモデルとされています。真実は捻じ曲げられる事例ですね。
呆れる村構造を長年批判してきて…同じように亡くなって、もうだいぶ経ちますが…司馬遼太郎も、日本の構造批判に明け暮れていました。彼の場合は自分が戦車部隊に送られた実体験の不合理さが、何処から生まれたのか? …を考えていましたね。戦争の昭和史と言えば…半藤一利さんかな?「ノモハンの夏」なんかを書いた人ですが…、この人はまだ存命です。NHKの戦争番組によく登場します。みんな…同じ構図です。青臭いと言われそうですが…東芝の不正会計も、似た構造下にあります。IHIやオリンパスを含め、実社会は謎に包まれています。
背景を知れば知る程…真実とは何か? 何が正しく、何が悪なのか? 判断に迷います。日本株の低迷は…どうして起り、どう改善すべきなのか? ようやく、安倍政権になり、まともな政策転換をしていますが…、何しろ、26年に及ぶ洗脳活動があり、加えて未だに「村論理」は生き延びています。大久保利通が、NHKの「朝ドラ」で暗殺されましたが、あれは明治11年の話ですね。当時の内務大臣は…日本の総理大臣のようなものです。
戦前は内務省が実権を握っており、戦後、大蔵省に変わりました。絶大な権力を握る内務省は、敗戦を機にGHQにより解体されました。あの暗殺は、江戸時代からの変化を拒んだのです。その先鋒が明治政府を率いる大久保利通だったのですね。当時は「有司専制」(ゆうしせんせい)と呼ばれ、一部の連中が独断で事を押し進めていると…批判されていました。村論理は厄介です。現在の安倍さんへの批判も多くありますが、独裁にならないと、なかなか古い体制は変化できないのかも知れません。
日本を成長軌道に乗せるためには…、何が足りないか? 実に簡単ですね。期待インフレ率を上げ、インフレにチェンジして、希望の溢れる社会構図に変えればいのです。ところが日銀はアクセルを踏んでいるのに、金融庁はブレーキを踏んだりしています。人間の構造は厄介です。過去の経験がトラウマになるのでしょう。昨日の日経の迫真と言うコラムで2006年3月の日銀の行動が書かれていましたが…、カタルが批判したマネタリーベースが激減する行動ですね。なんと前年比でマイナス展開まで…お金を絞るのです。これにリーマンショックが重なり、日本は失われた時代が長引き、先ほどの日産マーチの移転生産に繋がります。今は日銀が緩和姿勢を維持していますが、金融庁は膨れ上がる不動産融資に目を向けて…過去のトラウマに陥っています。指導部は馬鹿ですね。市場原理を理解していません。
金曜日の日経夕刊に、求人倍率が1.25倍で23年ぶりの水準となっていますが、給料が、毎年上がっていますか? ブラック企業やブラックバイトは、何故、社会問題になっているのでしょう? おかしな現象でしょう。これと同じ構造ですね。数字上は完全雇用と言いますが…それなら人件費は、何も言わずに、ドンドン上がる筈ですね。不動産向け融資が伸びて、バブルを警戒するほど…地価は上昇を続けていますか? 上には馬鹿が揃っています。
要するに…市場動向が正しいのです。市場動向を見て、政策判断をするのですね。その為に官僚は、様々なデータを集めています。適切な政治決断をする為に…的確なデータを集めねばなりません。ところが内閣府が打ち出したGDP速報はマイナスでしたが、実際はプラスでしたね。完全に景気は「中だるみ」なので、追加対策が必要です。日銀は緩和すべきですね。ポーズではなく本気度を市場に示せば、完全にインフレ社会に移行できます。それを、選挙があるから…円安に転じ物価高が心配などと…保身根性が働くのです。完全に黒田さんは、日銀マン論理に染まっているように思います。
市場は…政策担当者を馬鹿にします。だから株価が低迷し下がります。カタルは何時も本筋論から銘柄選別を実施しています。日本が立ち直るためには「1300兆円の逆襲」論理は必要不可欠なのです。失われた時代の根底は色々ありますが、その重要な一つが、地価の暴落です。1300兆円も吹き飛んだのです。この膨大な金額を毎年の稼ぎから、長い時代に分けて…償却してきたのです。だから社会にユトリが、なかなか生まれません。社会にユトリがあれば、ブラック企業などはなくなるし、東芝のような村論理の恥部も発生しません。トヨタのAA型株は、やはり村論理構造ですね。だからサマーズ時間が訪れた時に、日本株は崩れたのでしょう。
でも多くの外人は、ようやく日本企業がROE経営に目覚めたことを知りませんね。確実にROE経営は、浸透して行きます。スチュワードシップコードや、コーポレートガバナンスコードは非常に重要なキーパーツなのです。日本株10万円に向けたステップなのですね。早く企業経営者は、この時代変化に気付いた方が良いですね。でも東証は既に2015年6月から、この制度の適用に動いています。この変化が村論理に染まらないように監視しなくてはなりません。WSJにも同様のレポートが掲載されています。此方です。有料かも知れませんが…「アベノミクスの効果は何処に現れているか」ですね。
日本株のROEは、未だに9%未満でしょう。これを米国並みの15%水準に上げると…1.67倍ですから、株価が2万円だとすると…33400円の実現ですね。まだバブル期の38915円の奪回に届きませんが…、これに1300兆円の逆襲と言う資産効果が加わりますね。名目GDP目標の提示、TPPなど…外形標準課税と言う仕組みは、ROE経営を押し進めるのですね。
カタルの述べているキーパーツを、市場が何処で…取り込むか、なのです。もう政策の方向性は道筋が示されているので、株価上昇は決まっているのですね。問題は市場がいつどの段階で認識するか? 仕掛け人が存在するか? そのアクセルの踏み込みは、どの程度で、スピードはどうか? それだけの話なのです。
読者の皆さんは、自分の買った株が、どうのこうの…市場価格と比較しますが…上がる銘柄は、事前に決まっており、問題はタイミングなのですね。あとは自分の力量把握に尽きます。此処が最も難しいから…多くの人が株で損をして、アタフタするわけです。
勿論、カタルもそうですね。6月の段階で、8月、9月の動きは分かっていました。今回もカタルは年末年始高を予想していましたが、やはりイエレン時間へ移行したのに…まだ過去の議論のサマーズ時間が、未だに漂っている訳です。これは確認作業ですね。実際の結果は…来年にならないと分かりません。市場経済は、必ず、足固めをしてステップアップするのです。その為の試練を乗り越えないとなりません。だから市場では偽物を淘汰をする為に、色んな段階がありますね。この程度の利上げで、生き延びれない国や、企業なら、所詮は、何処かで競争原理に敗れるのです。一種のフィルター機能ですね。
明日は、此方のレポートを題材にしたいけれど…有料の読者以外は読めないのかな? ダリオ時間に対して述べているレポートです。どの程度の読者の知識レベルに、原稿を合わせるか…難しいですね。読者数が伸びなくても、カタルは自分の勉強の為に、自分自信が考え、自分の意見をレポートにしているに過ぎません。だから結果は違う事は、良くありますね。その度に、カタル自身も市場動向に合わせ、投資手法を変えています。今年は激動の割に…プラス・マイナス・ゼロでした。11月にかけ儲けが堪り、プラス圏になりましたが、この2週間余りの急落で、再びマイナス評価で…追証ラインです。
でもこれは、8月、9月の確認作業で、それ程、ひどい事態にはなりません。カタルが三菱UFJを利食いした辺りが…振り返ると、戻りのピークだったわけです。その後、相場の強さを見る為に、カタルは郵貯簡保などを打診買いしましたが、非常に弱かったですね。あの打診は、確か12月に始めかな? 結局、仕手系の選択でパイオニアを残しました。でもやはり…全体が下げました。カタルの言葉には、あまり「空売り」の文句は出て来ませんが…、たくさんその手の銘柄は存在します。一昨年、カタルが相場批判した「アドウェイズ」などの株価を見ている人は…まだ居るのでしょうか?
カタルは自分自信が、レポートを書いている為に、良く原稿の中身の裏を知っていますが…読者は一度、さらっと読むだけだから…なかなか理解度が深まらないでしょう。だから当たるも八卦の口で…読むのが良いのでしょうね。