米国雇用統計から…株価観測

雇用統計値を観て…あれほどの利上げなのに、大きく雇用は伸びていました。失業率もそうですね。市場には様々な意見がありますが、仮にあのコロナ騒動がなかったら、どうなっていたのでしょう。2020年3月に142万人、そうして4月に2051万人が解雇され…そうして5月は262万人が採用、6月は456万人、7月は144万人、8月は173万になっており以下のような感じで続いてきました。

米国雇用統計と失業率の推移

エクセルデータだと簡単に計算が出来ます。そうすると…27万人しか増えてないのです。米国は移民の国ですから、通常、雇用は増え続ける筈です。事実、2013年から2019年までの平均値16.6万人ですから…1年で192万人が増えている計算です。このようなイレギュラーは手厚い補助金などが影響したので、金融政策程度で大きく雇用は落ち込まないのかも知れません。

米国の雇用状況

もう一つは社会変革です。インターネットが定着して日常化しています。最近はAIの活用が新しく言われ始めています。この辺りをどう考えるか? 米国は明らかに中国を意識しており、自国の覇権主義に拘っています。日本は米国に折れる形で1980年代初め…中国とは別の道を歩み始めました。あの時に…日本がグローバル化に取り組んでいたなら…丁度、「前川レポート」が誕生した時でしょう。

こう考えると…国家戦略と言うのは非常に需要なのですね。「失われた時代」と一言で片付けられますが、こんな実験をすべきではなかったのでしょう。これはたぶん「画一化した教育制度」の問題でしょう。多様性がないと言うか…発想が乏しい日本人の戦後教育が間違っていたのでしょう。故に、最終的にはこの問題に行き着きます。

米国の占領下で成功したのは…日本ぐらいでしょうか? ベトナム、イラク、アフガニスタンなど…度々、米国は自らの価値観を押し付けています。軍事政権は兎も角、中国のような事例も珍しいですね。確か…マイケルサンデル教授の白熱教室で、中国の復旦大学の学生が「中国は民主主義国家か?」との問いに対して、多くの学生、確か…6人中5人までが、「中国は民主主義国家」と回答をしていたことに驚きました。

ブレグジットや米国第一主義を観ると、教育制度の問題かもしれませんが、上手く出来ています。ロシアなども真実の追及が正しい道なのかどうか…果たして、真実を追い求めることが幸せか? 最近、インターネットが普及しており、様々な意見が入り乱れています。どれが正解か…分かりませんね。

市場には、米国株が直近の高値を更新したのにも拘わらず、相変わらず、戻りは此処まで…との声も多くあります。でも基本的に未来の選択ですから、未来の株価はドンドン変わります。

既存の路線でなく、最近では「日本製鉄」(5401)の変身には驚きます。日本製鉄は大変、大きな会社です。皆さんが「想像するような」スピードで変化は出来ません。株式投資をしているとこの時間軸の壁を考えます。

カタルが現役の証券マンの頃、バブル期で株価はドンドン上がりましたが、配当利回りなどはほんの僅かでした。今でいう「仮想通貨」のようなものです。中身がないと言うか…日本は長い間、株式の持ち合い関係を重視してきました。今でも銀行は持ち株を全部、売ってはいません。そうして、なぁ~なぁ~のお仲間クラブを作って、村社会論ですね。昔は時価ではなく…額面に対して配当利回りを言っていたのです。額面が50円だと2割配当で10円と言う具合です。時価が1000円なら1%にもなりませんが…。

建設業界を観ると分かります。今でも「談合」でしょう。でもこれじゃ…いつまで経ってもグローバル競争になりませんね。まだ…まだまだ、日本の経営者は村社会論で染まっています。先ず、国内なのですが…ようやくユニクロが世界展開を始めたようなものです。流石に中国への投資を抑えているようにみえますが…

インドは残念ながら…カタルは中国のような成長は期待できないと思っています。一番の理由は日本のような存在がないためです。プラザ合意から…バブルが崩壊して、雇用問題が生まれた時に日本の多くの企業は日本への投資を止めて、中国に市場規模とグローバル化を求め進出しました。この1990年代は大きなチャンスだった訳です。

「サンケン電気」(6707) の日足推移

本当は…アップルのような巨大企業を取り込むチャンスだったのですね。 鴻海科技集団なんかに…負けるのは悔しい思いです。今回、見逃した株で残念だったのが「サンケン電気」(6707)です。完全な失敗です。「二番煎じ」でなんですが…次は昨年、投資を決めた「ローム」(6963)かな?

「ローム」(6963) の日足推移

まぁ株式市場は、いろんな面で強い部分を追えます。

このサンケン電気も、気にはなっていました。でもこんなイメージで仕掛けが開始されるとは思ってもいませんでした。仮に…今の相場が続くと…次は割安株から「夢のある銘柄」に舵が切られます。この二つの共通項は、「パワー半導体」です。

半導体と一口に言っても多様なのです。だから…「レーザテック」(6920)の評価が割れます。カタルは行き過ぎだろうと思っていますが、このサンケン電気のケースを観ると…この段階でPERは30倍近いですからね。

今の相場のラインはPER10倍以下で配当利回りは3%以上の割安株、勿論、PBRなども影響をします。最近、株価が大きく上がった株を観ていると、みんな…この水準です。だから「ナ・デックス」(7435)を皆さんに先行してお伝えしています。

なぜ、大株主の移転が決まっているか? 古川一族の株式の私物化でしょう。本日の日経新聞にも報道されていますが、今の時代背景が合っています。このような株主に報わない企業の株価は必ず、狙われます。何も「フジテック」(6406)だけではありません。

いつの間にか…株の話しになっちゃいましたね。話はこちらの方が面白いかな?

でも…ね。最近インドのアダニグループの財閥系の株式が、公募増資を決めて、その応募があったにも関わらず…時価より大幅に高い株式の発行だから、この募集が決まった途端に「取り消し」になりました。この背景は、米投資会社ヒンデンブルグ・リサーチによる「空売り」だと言われており不正会計が疑われています。この創業者のネイサン・アンダーソン氏は若いのですね。1978年だから…今年45歳です。

このような話題は、以前なら、なかなか日本に伝わりませんが…米電動トラック新興企業ニコラの「リバースマージャー」(SPAC)による資金調達を観て…「疑い」を抱いたことが切っ掛けのようです。カタル自身も、あれはやり過ぎだと…仮想通貨と共に批判をしていました。米国も「海千山千」の口です。

株式市場は、いろんな面を持っていますから、様々な知識がないと理解できない部分が多くあります。まぁ…ある程度、世の中を知っているつもりでも、自分より上の人間は数が多く、なかなか…それらの競争を勝ち残るのは難しいですね。

タイミングも難しいし…一度、チャンスを逃がすと数年間の我慢を強いられます。今回、注目している「アイサンテクノロジー」(4667)などの相場は、なんと2015年ですよ。このあと…本格化するかどうかは、相場全体の成り立ちにも、強く影響を受けます。呆れる時間推移です。結局、難しいのです。

このサンケン電気などは、明らかに確りした「仕掛け人」が存在をして、相場を仕掛けていることが分かります。今年は、このEVから自動運転の流れが加速すると思っています。実はこのサンケン電気も「パワー半導体の絡み」ですから、本日の原稿は、インドのアダニグループの空売り話も…繋がった話になっています。

みんな「見えない糸」の話です。冒頭の雇用統計値の話し、これは仮説ですが、あの不足分をまだ埋め切れてないのです。つまり人間はあれだけの補助金が出ると、なかなか元に戻らないのかもしれません。そうして米国では、バイデン大統領によるインフラ法案もあります。

皆さんは、この「市場要因」の話を、あまり信じてないようですが、カタルが何故、この話が重要か? …と述べているか? 

今の株価上昇の多くは、基本的に「リバウンド相場」です。ただ仮に…サンケン電気が2006年1月に付けた11600円を抜くなら話は変わります。チャート論では、そういう解釈になります。だからこの路線の流れからも…注意が怠れません。市場には様々な「潮流」があり、どの選択をするか…読者のみなさんの自由なのでしょう。

あまりにも多くの銘柄を見せても…「迷う」ばかりです。カタル自身、今の選択肢は多岐に渡り、どれが一番か…さっぱり分かりません。まぁそれなりに…可能性のある銘柄を物色しているだけの話しなのでしょう。

常に失敗をしても良いように…自分の力量を守り「ブツブツ投資」を心掛けましょうね。また明日。



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