期待値が生まれるか?

昨日の相場は日銀のETFの買いがあったため、円高=株安の構図が壊れたと言います。名目GDPの総額は499兆2275億円(2015年)ですが、この内、一番多いのは民間の最終消費支出で292兆4183億円です。この年の輸出額は89兆3408億円ですが、輸入は94兆2063億円です。

カタルは、何故、円高が株安に繋がるのか? 理解に苦しみます。それなら94兆円も輸入している企業の利益は、膨らんでいる筈ですね。代表事例は石油でしょうが…肉を輸入しているスターゼンなども恩恵を受けます。貿易収支からみると、2015年は赤字になっており、円高が株式の水準を決めるのが正しいというのは、間違った市場の認識ではないかと思っています。

更に驚いたことに…昨日は、この日銀のETF買いの「弊害」を指摘していたアナリストがいます。カタルは株価形成面においてETF買いは、株価の価格形成を歪めていると思っています。指数採用以外の株価と格差が生まれます。PBR1倍以下の株価は多く、本来ならTOBが掛かり、効率経営が促進されるはずですが…なかなか現実はそうなっていません。だから日銀はETFの指数買いを止めて、PBR基準や配当利回り基準で銘柄を選択して株式を買い入れるべきだと…カタルは主張しています。過去、カタルはQE2の段階で、当座預金の付利金利撤廃を主張していましたが…日銀の選択は更なる量的緩和で国債の買い入れ増額でした。この時点では…動かない資金の問題点は分かっていたのです。

なかなか増えないマネーストックを観て、日銀は今年1月に、付利金利の撤廃を通り越し、更なるステップアップによる「マイナス金利政策」を導入しました。今度は日銀が量的緩和で買い入れた国債を、売った民間銀行の資金は、当座預金に滞留しませんから、市場にお金が出回ります。よってマネタリーベースの増加分は、マネーストックの増加に向かう筈です。この効果が出るのは、早くて8月の統計数字からでしょう。通常は来春に、この効果が発揮されるはずです。この程度のタイムラグが、金融政策の効果です。だから9月の総括は意味がありません。やるなら来年の春ですね。本当に…専門家なのでしょうか? カタルには素人集団に見えますね。

先ほどの話に戻しますね。日銀のETF買いの弊害でテレビに出ていたアナリストは、株式が下がった時に、その損失を埋めるため、国民が負担すると間違った解説をしていました。日銀券の劣化はあり得ますが…日銀が損をする事はありません。すべての物の価値は日銀が、勝手に決められます。最終的には、日銀券をどんどん刷って、上場株、全てを買えば、それで良いのです。だから日銀の「不退転の決意」の問題だと…カタルは、昔から述べています。このような解説が、信じられること事態が、既に狂っているのです。だから「流動性に罠」に、どっぷりと浸かっているのでしょう。

今回の日銀のETF買い入れ増額で…初めて市場に「期待値」が生まれ始めています。これはカタルが語っている名目の世界の常識です。日銀は株が下がるなら、更にETFの買い入れを増額して6兆円と言わずに…50兆円でも買う事は可能なのです。今回、日銀はリートの増額を見送りましたが市場規模からみて、価格形成が歪むと考えたのでしょう。もともとリート市場が小さい為です。

でも日銀が、この価格形成を無視して、マイナス金利まで仮に買い入れたら…、更に不動産投資は進み、地価の上昇に弾みがつきますね。リートの組成が一段とやり易くなります。はやく国の資産を基にした「コンセッション」を、活用した方が良いですね。介護リートなどを充実させ、税制優遇すれば…それだけで、都心の特養不足も解消される可能性があります。介護は安定した収益を描きやすく…、一気に加速する高齢化社会にも対応できます。何も、国が自ら、やる必要はサラサラありません。民間の力を活用すべきです。地方自治体の下水道の更新需要も同じです。

本当に市場は、株式を理解しているのでしょうか? カタルには日銀がETF買いで損をして、その損失が国民負担に繋がるという発想は、全く理解できません。それにより日銀券の信用が失われ…どんどんインフレが加速するのは、ガラガラポンのシナリオです。この為にはメディアが日本国民を騙し、国民を混乱に陥れ、円を売らせて、外貨預金が推奨する事が条件になり、実際にその行動が加速しないとなりません。これがガラガラポンの絶対条件です。

「流動性の罠」が深くなっており、今回のETF買い増額が効き始めるかどうか、まだ分かりませんが、現在は、多少、日銀の狙いは成功しつつあります。円高にもかかわらず、株安が軽減されたことで、ETFの707億円の買いが、実際に市場の期待値を生んでいます。この事をカタルは8月5日の今日の市況で述べています。もう一度、ここで読み返されると良いでしょう。右のカレンダーをクリックすれば読めますよ。

日銀の心が、道半ばの途中で折れることが、そもそも問題なのです。9月の総括で方針を曲げては駄目ですね。マイナス金利は、継続すべきです。あるいは付利金利の撤廃をアナウンスする事です。カタルは半年ごとに50兆円ずつ、付利金利適用範囲分を減らせと述べています。そうすれば…何も国債を買い入れなくても、同等以上の効果が得られるはずです。現在の株式の時価総額は、およそ500兆円ですから、ETFの買い入れの6兆は1.2%になります。6―6―6(ETF、外人、自社株買い)と言うのは、総額で3%を超える基準だという事です。この3%が期待値の生まれる条件とされています。

さて…ケネディクスが50億円の自社株買いを発表しました。現在の時価総額は株価が415円、発行済み株式総数は2億65658千株ですから、1102億円ですね。つまり50億なので…4.5%程度になります。自社株買いの効果が出るとされる3%基準を超えマズマズの合格点でしょう。信用買い残は、だいぶ減っており1900万株台ですからね。カタルはAUM残高が1兆円以上あるのだから、時価総額は2000億円程度が…妥当な水準だと思っています。

今回の決算説明会でも、コンセッションへの取り組みに言及されていませんでした。相変わらず…保守的ですね。国の資産は、限りない量があるのです。早く、革新的な時代投資に経営を変えるべきでしょう。前回は20億円の自社株買いで500円だから…今度は倍だから…是非、効いて欲しいものです。何しろ、3年も待っているのです。

クラウドワークスの総契約額推移

クラウドワークスの総契約額推移

さてクラウドワークスも、同時に決算を発表していました。四半期別の総契約額は順調に伸びている様子が窺えます。しかし同時に営業収益を観ると2Qの326百万を下回っており289百万になっています。この理由は、たぶん競争激化の為と思われます。しかし昨年3Qの契約額は691百万で、営業収益は170百万だったことを考えると、3Qと言う季節要因があるのかも知れません。何れも67%、70%と大きく伸びており、カタルが描いている爆発ポイントには到達していませんが、マズマズなのかもしれません。総契約額の3割弱が営業収入になっており、費用を観ると480百万ですから、来期中には黒字ラインに突入すると思われます。

この会社は9月決算なので、11月に来期見通しが発表され、当初は赤字予想ですが…損益分岐点を迎えるのは、来期中だと思われ…ここから。仕掛け筋が参入しやすいタイミグになります。何しろ…この伸び率は、凄く魅力的なのです。このランクの会社は、なかなかないですよ。

「フリーランス」と言う言葉も、まだ定着する前ですし、完全失業率は。これから3%ラインを下回り、一気に、企業は人材確保に力を注ぐようになります。しかし仕事量がこなせないので、外注は増えます。同時に、名目世界が達成できれば…全ての点で、一気に、実質の世界の融解が進みます。働き方改革のクラウドワークスの価値は、自ずと高まる事でしょう。もし下がれば…買い増しの絶好の機会ですが…、果たして、そんな場面があるかどうか…。IoTのユビキタスは12日が決算発表予定だそうです。それでは…また明日。



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