世の中は、何が起るか分かりません。株式市場は、常に世界中の様々な材料である出来事や事象を株価に反映させて織り込んで行きます。だから株価を見て政策を実行することが正しい…と市場原理主義者のカタルは思っています。
ところが歴代の政策担当者は「株価なんか、政策に関係ない。」と述べたり…自説が正しい…と利上げをしたり利下げをしたりします。そうして…やはり株価が正しかったことが証明されています。
でもバブル期は、資産価格の高騰を正当化しようと…それまでのPERでの評価を止め、Qレシオなるものを登場させ…株価を正当化しようと試みました。しかし結局、その試みは失敗し、新たな指標は定着しませんでした。このケースは、株価が実態評価を大きく逸脱したケースの教訓として残ります。
この切っ掛けを作ったのが日経新聞です。日経新聞の一面に、三菱地所の含み資産の時価評価と…株式の時価評価を掲げ、「かい離」度合いを掲載したのです。その為に地所の株価はドンドン上がり、バブル期の相場の一助を担いました。仮にM&Aと言う概念が市場に定着しているなら…日本の株価は、もっと洗練されていたのでしょう。しかし当時は株式持ち合いの花盛りです。
あれから30年が経過し、日本にも本格的なTOB時代が到来すれば…良いと思っています。今回はユニゾHD(3258)を巡り、経営権の争いが勃発しています。HISとソフトバンクG系のフォートレス・インベストメントグループと言う会社の争いが表面化しています…どうなりますか。
日本はMBOに対しても明確な基準がなく、既存株主が不利益を被る場合があります。はやく…開かれた公平な市場を形成したいものです。でも日本の指導部は偽物ばかりです。なかなか真の実力が反映されにくい社会構成です。失われた時代が長く続き、カタルはこの問題を嫌というほど…考えさせられました。本来は誠実な筈のメディアも…権力者の片棒を担ぐ始末です。
何が正義なのか? カタルにはサッパリポンです。一例を掲げるとライブドアと東芝などのケースは、どう違うのでしょう。その後、IHI、オリンパスなど…お仲間企業の粉飾決算が多発すると…考え方の基準が変わり公正な筈の司法も対応を変えているのです。ようするに日本と言うのは、いい加減な国なのでしょう。
今日は久しぶりに東邦チタンに対し…良い材料が出ているので、報告しておきます。この株式、カタルは昨年、「此処しか突破口はない」として、年末年始のアノマリーに賭け、見事に「返り討ち」に遭い、手痛い敗北を喫しました。
その理由が、この1Qの決算で判明し…先日、カタルはいったん撤退していましたが、新たに参加したら…全体相場の下落に押され、未だに底入れの気配もありません。ここに来て信用買い残の「ぶら下がり」も見られ、整理は長引くと思われますが、カタルは、例の如く「ブツブツ投資」を推奨しています。
実は会員向けレポートには、ソニーのCMOSイメージセンサーの増産体制の日経報道を受け、貴重な応援材料とみられる「市場の整合性」の話をしています。この日経新聞の記事は、スマフォの生産回復でしたが…今度は、別の角度の報道です。この記事は日刊工業新聞です。此方です。
MLCCが大きく落ちるとは考えにくく…カタルが目先の需給バランスを読み違ったために、株価は一時的に反落していますが、村田製作の滋賀工場の新設など…この記事にも盛り込まれています。
あとは…伸びが続くチタンの価格も影響します。でもこの日刊工業新聞を読めば、カタルの観測が正しい事を、裏付けている事象でしょう。でも株価は反応していません。しかし…この記事を読めばブツブツ投資の敢行が、いつか報われる証でしょう。東邦チタンは、既に読者にも述べているので、多くの人が引っ掛かっていると思い、敢えて公開しています。
このような事象の繋がりを見て、時代の動きを株価に反映させるのが、カタルの「時代投資」です。「市場の整合性」が繋がります。
ソニーや村田、それに、この日刊工業新聞の材料など…未来が明るい事が証明されています。ただ今は737MAXなどの支援材料はなく、直ぐにと言う訳ではないのでしょう。でも「奈落の底」に、落ちることはないと言う支援記事になります。
皆さんは、簡単に上がる株を求めますが、難しいのです。時間は流れており、全ての事象がマッチして…一緒に流れることは稀な事です。更に仕掛け人の関与も必要で…様々な材料と共に、時間推移で流れる事象が未来に於いて、マッチして相場が形成されていきます。だから力技で株価を操れる資金を持っていた誠備の加藤さんも、最後は神頼みだったのです。
カタルは読者の皆さんに、見えない市場の繋がりを読めるようになって欲しいと願って…様々な事例を紹介しています。
その中の動きは「起承転結」の繋がりがあります。犯罪行動もそうです。些細なことが「切っ掛け」になり事件に発達しますが、その事件に至る背後には、様々な蓄積があるのです。その不満の蓄積が、限度を超えると爆発して…実際の行動に至ります。普通の人は、その感情を理性で抑えることに成功しますが…中にはダムが決壊して、暴走する人も居ます。それが犯罪になります。
日頃の心の中にある不満が蓄積して爆発する。株価も同じですよ。ざまざまな事象の積み上げが…溜まって来ると「機が熟し」、相場になって動くのです。だからその前哨戦である、事象の蓄積に注目して、「市場の整合性」を考えながら相場を観察するわけです。
基本的に企業業績と言うのは、その結果論に過ぎません。特に今の1Qの段階で過度の反応をする必要はないと考えています。日本人の性格は、失われた時代下で、どんどん低く縮まっています。株価もそうです。PBR1倍の日本株の水準は20050円だと言います。M&Aが盛んになり…定着するなら、TOBが連発して馬鹿経営者を変えることが出来ます。
何故、カタルが金持ちトヨタの戦略を批判しているか?
カタルより優秀な経営者には、是非、新しい時代の在り方を考えて欲しいものです。何故、ROE経営を進めると…効率化された社会形成になるか?
付加価値の高いものは、利益率が高いのです。誰もが出来る簡単な仕事は、付加価値は高くなく…売上高営業利益率が低いのです。何故、売り上げに対する利益が5%以下の分野に、経営者はしがみ付くのでしょう。そんな利幅しかない産業は、ドンドン門戸を開放すればいいのです。
此処では高株価になった資生堂が、最近アニメティーグッズ市場から、儲かっているのに…撤退しました。この経営方針の転換を見習って下さい。
今なら、やり方次第では…農業は魅力的です。どんどん時代の進展で、競争相手が物理的な寿命(80歳代超え)を迎え、競合が減っています。今、カタルが20代、30代なら、一次産業の農業や水産業などの道を模索するでしょう。地球温暖化で環境は激変しており、しかも世界人口は増え続けています。必ず食糧問題が、何れ…浮上します。しかも日本の食料自給率は低いのです。全ての条件が整っています。「市場の整合性」の大切さは、此処でも確認できます。
良くカタルは、メールで意見を求められます。カタルの見方が正しい訳ではありません。カタルのレポートをヒントにして、自分自身で物事を考えて、判断して決断して、行動に移しましょう。
日本人は小学校の頃から、ロボット教育を受けている為に、自分で判断をする事が苦手です。みんなで昼食を食べに行くと…誰かが「俺はカレーライス」と口火を切ると…必ず「じゃ、俺も同じ」となります。集団行動は得意ですが…自分の道を歩むことは苦手のようです。
これは教育方針が間違っているのでしょう。でもこの改革は時間がかかります。せめて、優秀な筈のリーダーである上場企業の経営者の思考を変えねばなりません。
トヨタ社長の言動を変えさせるように…日経新聞の記者は努力をして、紙面を作ってください。世の中には様々な意見があります。でも現状の報道姿勢は「清貧思想」に溢れています。昔の新聞記事を、記者は国会図書館に行き、いや記者なら…自分の会社に過去版が保存されていますから、名目時代の1975年から1980年代の紙面を読んで現状と比べて下さい。大きな違いがある筈です。
今の新聞は常に布石だらけ…「転ばぬ先の杖」のような紙面です。それで説得が出来るのでしょうか? 日本市場でもM&Aが活発化しますか? 王子製紙が北越製紙に対しTOBをかけてから、何年が経過するのでしょう。今、調べたら1996年の話しでした。M&Aは時間を乗り越えるのです。貴重な時間がお金で買えるのです。お金など…所詮、「動かして…なんぼ」なのです。
動かさない内部留保を貯めこんでも…全く意味がありません。日経新聞はこの点を肝にして…積極的な行動を促さないとなりません。経営者はみんな日経を読んでいるのです。「ROEの推進」を加速させましょう。せめて15%に…出来ることなら、米国を超えるのが、正しい選択でしょう。
頑張れ! 日経の若き記者たちよ。今日の市場は高いようですが…果たしてこれで落ち着くかどうか…。でもこのデータは過去のボトム圏を示しているようにも見えます。これは日経平均225銘柄の平均値のグラフです。
それでは…また明日。