カタルは岸田新総理を批判しましたが、早速、逆風が大きいのか…「金融所得課税見直し」の話を、トーンダウンさせました。先ずは他の事から…始めると言います。この判断は賢明です。ブルームバーグのこちらの記事を読むと、金融所得課税見直しは後退したようです。
基本的にどの政策もそうですが…株が下がるような政策は間違いでしょう。問題を抱える国の株は、必ず、下がります。だから…1989年の高値38915円を、未だに抜けない日本は、かなり「深刻な問題」を抱えたままなのでしょう。
この事は現場を見なくても分かります。一流企業の不正や改ざんなどが横行し…みずほ銀行のように、何度も…何度もトラブルが続きます。通常はあり得ない現象が至る所で起こっています。WBSは生放送だから…たぶんミスは多いのでしょうが、結構、訂正が多いように感じています。昔のテレビ局は、誤字の使用など…あまりなかったように感じています。
長い失われた時代は、様々な弊害を誕生させました。
昨日、うちのかみさんが、昔の仲間と共に昼食会をしました。その介護の現場に、中国の留学生が研修に来ているそうです。日本人との比較で…その留学生は「○○さんは、別の事を言っていました。」「一体、どちらが正しいのでしょう。」と質問をされたとか…。
ところが日本人は曖昧な返事ばかりで資質が劣化しているという認識だったそうです。日本人は周りに合わせようと、このような…単純な質問もしません。真鍋さん(ノーベル賞受賞)が述べるように…自分の疑問より、周りとの協調性を求める為なのかもしれません。
兎に角、同じ仕事をさせても…昔の日本人と今の日本人は明らかに資質が違うのでしょう。教育現場は疲弊しており…資産インフレを活用せず、清貧思想の為に、どんどん…日本人の資質は劣化しています。韓国の賃金の上昇率と日本を比べると分かります。世界と日本の違いが、何故、生まれたか? よく…日本人、一人一人が考えないとなりません。
格差拡大は、カタルのような人間は、当たり前だと思います。だってエクセルの使い方一つ、知ると知らないでは作業時間が大幅に違います。その事を、いちいち教えるのは大変です。だから新人の給料は安く…通常は30歳から50歳程度までが、まともな賃金で他は見習いでしょう。年寄りの動作は、どんどん鈍くなります。年と取れば仕方ありません。
本日も三菱UFJの株価は、頑張っていますね。
先日の海外投資家の買いのピークは688.9円です。ここをいつ奪回するか? チャート上はようやく…二段上げの形です。
この銘柄の狙いは、様々なものがあります。一つは金利高です。インフレになるとそれを抑えるために、金利負担を上げます。基本的にインフレは、活発な経済活動が過熱する現象です。
パウエルは「一過性の物価上昇」と述べていました。おそらく…コロナ禍で抑圧されていた購買意欲が解放され一気に今までの我慢していた消費行動が爆発した現象で一時的という認識なのでしょう。
カタルは盛んに「ペイントアップ需要」の話をレポートでしました。証券用語の解説では…『景気後退期に購買行動を一時的に控えていた消費者の需要が、景気回復期に一気に回復すること。「繰越需要」、「ペントアップデマンド」とも言われる。景気後退期における消費者の需要は消滅しているわけではなく、積み上げられ、繰り越される部分が潜在的に存在しており、景気回復とともに表面化することで一時的に需要が拡大する現象のこと。』と解説されています。
パウエルは、そう考えていたわけです。この考え方なら海運運賃も、まもなく沈静化します。だから船株の相場は、元に戻るから株価も下がるという理屈で、大きく株価が売られました。
しかし…カタルは「別の見方」も成り立つと思っています。この「ペイントアップ需要」が運賃相場の上昇の切っ掛けを作ったことは事実でしょうが…背景を述べています。もともとコンテナ船の相場は2017年の運賃が1000ドルを割れていたのです。上海-ロサンゼルス間のコンテナ運賃を観ると分かります。
この1500ドル水準と言うのは、辛うじて…黒字になるかどうかの水準でしょう。それが突然上がったわけではなく…詳しく相場を観ると分かります。此方を観ると…詳しい運賃の数字が分かります。2018年後半から2500ドル台になります。需給バランスが改善しているところに…コロナ禍の解放から、一気に爆発したのでしょう。でも考えてください。
わが国でも同じような事件がありました。そうです。電通の高橋さんの自殺を切っ掛けにして労働条件の改定機運が盛り上がり…物流で問題を抱えていたヤマト運輸の運賃の値上げです。
この現象…更に最近でもあります。日本製鉄とトヨタの薄板鋼板の値上げ交渉です。一見すると…両者の関係に関連性はなく…結び付きません。ヤマト運輸の運賃の上昇、日本製鉄の値上げ交渉。でもカタルは、両者は「抑圧された条件の変更」だと思っています。「適正利潤」を求める当然の動きです。
基本的に市場原理は、ROEの改善に目的があります。お金がお金を生むのですが…高い利益率を与えてくれるところに、お金が流れます。当然です。
1%と5%の金利なら、誰もが5%を選択します。ところが奇妙な事に日本では…1072兆円もの個人の現預金残がありますが…なかなか株式市場にお金が流れて来ません。何故なのでしょう。
何故、カタルが、岸田政権を批判したか?
もう分かりますね。彼はまるっきり…経済を知りません。先ずはお金を動かさねばなりません。「貨幣乗数」を昔のように10倍以上にしたら…増税も良いでしょう。主眼は、ここにあります。貨幣乗数を高めることです。ところが日経新聞は一番、大切な事を、一度も伝えていません。少なくてもカタルは読んだことがないのです。
もう東大法科のエリートと言っても…馬鹿です。記憶力が良いことが、仕事が出来る人間とは違います。原点を捉えないとなりません。
先ほどの…ヤマトの運賃上昇で労働条件が変更される…日本製鉄の薄板鋼板の値上げで…古い慣習により縛られていた運賃と言う末端の部分でも、ようやく条件改定の流れが始まったのです。
ネット時代になり…世界中の価格が統一され、物流は正当な評価を受けるようになります。昔のように…海運運賃が1500ドルには戻らないと思います。まして…物流はこれから自動航行の時代です。その為に「技術革新の経費」が掛かります。
株式市場と言うのは、企業業績が良いから株価が上がる面ばかりを、皆さんは観ています。しかし「市場原理の本質」を考えてください。
トヨタの株価とテスラの株価の時価総額比較をすると…従来の考え方では明らかにテスラ株の評価は高過ぎます。つまりトヨタを買って、テスラを空売りするポジションが儲かると思われますが…実際は違います。
株式市場は、お金が必要な産業、場所にお金を流すのです。お金があるなら…開発が早まり…5年、10年かかる研究や進化が、1年に短縮されます。今回のコロナワクチンの「mRNA」の技術革新を観ると分かります。今度は、この技術が応用されガンにも応用されます。
基本的に「革新的な産業や技術」の株価が、赤字でも上がって来たときは…取り敢えず…ゴタクを述べる前に買う事です。
それから…その価値や時代背景を考えるべきなのです。カタルは、何故、今回こんなスピードで海運株が上昇してきたか? どうも…コロナ禍の一時的な運賃の上昇だけでは、なかなか…この動きは説明できません。
だからその背景には、「隠された謎」が存在する可能性があると思っています。もし…ですよ。仮定の話ですが、その可能性があるなら…
ここから船株相場は本番を迎えます。ようやく世間一般の投資家が、船株の企業業績を知り…買った途端に大きく下げられました。仕手株の「初押しは買い」と言うジンクスになるかどうか…。この後の「秋から冬の相場」が注目されます。
可能性としては「物流機能の見直し」です。
サプライチェーンの再構築から、適正利潤の考え方が、物流にも及びます。半導体業界に働く人の価値が高く…海運やトラック運転手の価値が低いのでしょうか? この差が10倍以上もあるのでしょうか? 何故、レーザーテックの利益がPER100倍以上で評価され、川崎汽船の利益はPER5倍にもならず…2倍か3倍なのでしょう。同じ人間なのに…。
半導体業界も、革新に満ちている業界ですが…物流もこれから自動走行の設備投資が必要になります。トラックやバスは「無人運転」が、最初に選択される業界でしょう。
株式投資の基本は、企業業績の良い会社を買う事ですが…その前に資本市場の使命は、必要なところにお金を流す事なのです。人類がみんな幸福になる為に…必要なお金を流すことです。皆さんは、もっと「市場原理」を信頼しなくてはなりません。
何故、アップルが大成長を遂げたか?
スティーブ・ジョブズは一度、会社を追われ…挫折を味わい、失意の中でも…希望を諦めていません。彼は再びチャレンジを続けます。そうして…ピクサー・アニメーション・スタジオに活路を見出して、「トイ・ストリー」を大ヒットさせ、その株式をディズニーに74億ドルで売りました。2006年の話です。そうしてアップルに返り咲いたのです。だから「iPhone」 が誕生しました。
株式投資は、「市場原理」を理解する必要があるのでしょう。本日はゴタクばかりになりましたが…株式投資の本質を考えて、「市場の整合性」を感じてもらえれば…幸いです。また…明日。
通常は、船株は2週間の休みの筈です。3週間も休むようでは、この仮説は、どんどん劣化します。故にカタルは今週の船株の安い所が、「一般的なシナリオ」(9月下旬に売り10月の下旬に再介入)でも、買い場だろうと思っています。観察を続ければ…分かりますから、三菱UFJと共に…船株の動きに注意を払いましょう。