アーカイブ:2022年5月14日

2018年のトラウマ

カタルの「2018年のトラウマ」は、印象強く…心に残っています。この年は景気後退の局面と思っており…「ディフェンシブストック」つまり…景気動向に企業業績が影響を受けにくい…食品や医薬品などの銘柄から「小野薬品工業」(4528)を選択して、春には年間の倍増目標を達成していました。

2018年当時の小野薬品の株価推移

だから余裕があった為に…大きく株価が下がった「古河電工」(5801)を「株価が下がることを前提」にして、ゆっくり…ブツブツ投資を始めました。でも何度トライしても…「損切り」ばかりを強いられます。通常、株価の下げ過程でも、多少の「リバウンド」があるものです。上下をしながら…株価が下降を続けます。

2018年の古河電工の株価推移

そうして秋ごろから…MLCCの「東邦チタン」(5727)に、「一縷の望み」をかけて「チャレンジ」した年でした。二つの当時のチャートを掲載しておきます。もう最後は、散々…でしたね。

2018年の当時の東宝チタン

春までに儲けたお金を、全部飛ばしても…足りない程度の損失でした。この失敗体験が今回は生きている可能性もあります。船株やマザーズ株は、何度か…損切りを続けてきました。200万、300万の損失は「痛い」経験でしたが、この2018年のトラウマに比較すれば…なんとか下げ相場でも耐えられます。この経験が活きているために、下げ相場のメルカリ、BASE、ソフトバンクは、儲けかどうか分かりませんが…健闘しているのでしょう。大きく戻らないのです。

今回、会員レポートの更新期にあたり、脱会した会員の皆様の意見を聴くと…一度は儲かっているようですが、「爪を伸ばして」失敗したケースが、殆どのように感じています。この理由は、全体相場のデッサンが出来てないのでしょう。

基本的に金利が上昇し、しかも今回はQEから、いきなりQTと…「一気に」金融を引き締めますから、2018年よりドラスティックな激動相場です。基本的に、この環境下で、買いから入って、利益をあげるのは「至難の業」でしょう。しかし…幸い、カタル達は「三菱UFJ」や「野村証券」など…比較的打撃の少ない株を取り上げていました。「日本製鉄」もそうだし…船株は奇麗な立ち上がりにはなりませんが、カタルは損切りをしましたが…結果は損切りをする必要はなく…ほぼ横ばい圏です。

このように株主還元相場を謡い「バリュー株」に力を入れていましたから…会員の中でも儲かっている人も、かなり居られます。この方々は保守的な対応の選択で…難を逃れたようです。

しかしカタルの性格が災いをして、新興株に拘った人は「手痛い打撃」を受けました。ロコンドを中心に、なんどチャレンジをしても…駄目でした。やはり時間は必要なのでしょう。全体相場の環境を把握しているかどうか…。これほど…選択により明暗が分かれた相場も珍しいように感じています。

カタルは御存じのように「ハイリスク・ハイリターン」派です。どちらかと言えば…値動きの激しい株を好みです。だから上手く行けば…株価が10倍になる銘柄も…結構、ヒットさせています。2倍なんかザラに紹介しています。

その代わり、半値は当たり前、1/3や1/4などのケースもあります。「ロコンド」(3558)なんか…折角、儲けていたのに…。しかし…極めつけは、やはり昨年の船株でしょう。億単位の儲けまで、狙えるような相場でした。スムーズに行かないから…なかなか難しい話です。

今の米国10年債利回り推移

昨晩は原油価格が上昇を続け110ドル台に入り…金利も僅かですが上昇をしていました。それにも拘らず…ナスダックは3.8%も上昇をしていました。たぶん「空売り」の買い戻しでしょう。でも昨日は、少し金利は上がりましたが…基本的に今週は3.163%~2.935%と大きく落ちました。包み足にはなりませんが「大陰線」には、変わりありません。

米国CPIの月次推移

たぶん…この理由はCPIの月次の数字が「0.3」%の上昇と…通常の数字になったためでしょう。でも面白いですね。前回のFOMCでは0.5%の金利の引き上げで…一旦は「空売りの買い戻し」で、大幅上昇をしましたが…直ぐに、それ以上に株価は下げます。

今回はCPIの月次の0.3%上昇を観たにもかかわらず…その日の株価の反応は「駄目押し」を入れていました。そうして翌日に、精査した主張が認められ…昨晩のナスダック中心に株価は反発をしています。

でも…カタルは依然「薄利多売買」を続けました。残念ながら、使っている証券会社はメンテナンス中で、詳しい数字が分かりませんが、2000万ほど売りましたが…その儲けは、僅か30万円ほどでした。それ程「儲かれば…それで良し」と言う態度で、儲けようとするのではなく…今の相場を楽しんで、売り買いを続けています。このインフレと金利などの判断は非常に難しいのです。

米国の供給の大半は、グローバル時代に転換しており…中国が世界の製品の「生産基地化」しています。しかも…その中国は「ゼロ・コロナ政策」もそうですが…習近平氏は「毛沢東」主義の亡者のようです。

彼は父親が、毛沢東の文革により、迫害された子供ですが…教育と言うのは恐ろしいものです。きっと幼少期に、厳格な共産主義を叩きこまれたのでしょう。まさか…彼の権力基盤が確立すると…「共同冨裕」と言う「文革」のような思想を急速に広めるとは思ってもいませんでした。確かに、中国のジニ指数は悪く、格差が大きく…拡大をしており問題化していました。此方です。

世界のジニ指数ランキング

話が逸れますから…今の相場の焦点に戻します。この共同冨裕から経済安保の問題になって来たのが、半導体の供給不足問題です。コロナ禍で補助金を「ばら撒いた」為に、個人の可処分所得がいきなり増えたので…過剰な「リベンジ消費」が今のインフレの基礎部分です。ここに半導体などの供給不足問題からロシアのウクライナ侵攻が絡み、安全保障の問題が急浮上して…事態を複雑化させています。複合的な要因が重なっているために、見通しが難しいのですね。単純ではありません。

カタルの船株の低PERの謎などは、その代表的な事例の一つです。みんなが一時的と思って、市況が急落するシナリオばかりを考えていますが、グローバル化したサプライチェーン下での…初めての出来事です。そうして2017年は、未曽有の海運不況で、世界的なシステム転換を余儀なくされたのです。今の相場の概念は、海運市況が1/5程度になる評価です。カタルは間違っているという論者ですが…激しく意見が対立します。だからこそ…「仕手化の芽」が、此処に…あります。

株と言うのは「意見対立」が人気を支えるのです。ただ単に企業業績が良いだけでは駄目なのです。また話が飛ぶから…前座はこの程度にして…本題に入りましょう。

2017年から2019年のFRBの総資産と米国10年債利回り推移

QTの前回の様子をグラフに纏めました。FRBの総資産の推移と米国10年債の利回り変化です。そうして…同期間のS&P500のチャートも付けておきましょう。

2017~2019年のS&P500の推移

このデータで分かることは…金利が下がり始めるのを確認すると、株価が上昇に向かったことが分かります。やはり実際のQTより、この時は金利と株価の相関関係が強いようです。今回も同様のケースになるとして、これからの相場の戦略を立てるのが…通常の考え方でしょう。

此処で…JPモルガンの謎の話です。この話を補完する意味で…こちらの話も絡みます。そうして…単に景気後退を畏れて。JPモルガンの株価の動きが悪いという説明は、カタルにとって、どうしても…「納得できる主張」ではなかったのです。その可能性もあるのですが…現時点では違う要素があるのではないか?…と思っていた所だったのです。

やはり…カタルの読者層は、皆さん、頭が良いようで…馬鹿カタルにヒントを与えてくれる情報を頂けます。昨日のメールの中で、この謎が解明されました。

日本の銀行と米国の銀行は「体質が違う」と言う話です。日本の銀行は、預金が元になっており…この預金を貸し出しに向けて、金利の鞘を得ますが、米国はこの預金残が少ないために…米国の銀行は、市中からお金を調達するのです。だから今回のように急激に金利が上がると…「逆ザヤ現象」が生まれる可能性が指摘されているようです。

急激な金融政策の変更は、至る所に「歪」を作ります。

だから時間を掛けて、政策を変更をしないと駄目なのです。ところが…イエレンもパウエルも…現政策担当は、「雇用を重視する」人間です。民主党らしいと言うか…市場原理を優先させる共和党とは、基本的な考え方が違います。だから…政策対応が遅れた混乱があるのでしょう。その為に今は逆に…異常な「乖離ギャップ」が誕生しています。

このような乖離は、過去はないのです。問題は此処からですが…カタルは落ち着いた金利状態の「高止まり」の期間が、どの程度続くか?…に、新しいステージに入ったと思っています。

この話は、我々が手掛けている「マザーズ株の行方」にも影響を与えます。そう簡単に株で儲かると思ったら、大間違いです。知れば…知るほど「奥の深さ」を実感し…更なる勉強が必要になります。

4月のCPIだけでは判断が付きませんが…ただ明らかに昨年の後半から、3月は1.2%に跳ね上がりましたが…4月は0.3%に大きく落ちました。

この一番の要因はエネルギーの「マイナス2.7」%です。4月は一時的に下落が大きかったためなのでしょう。住居費などは、直ぐには落ちないでしょう。時間が必要です。新車が伸びて…中古車は下落しています。これはサプライチェーン問題が一服してきた為でしょう。まぁ…細かい分析は専門家に任せるにして…要するに…秋口までは、まだ分かりません。たった一か月の数字で判断はできません。

しかし株価は「異常とも思える速度」で、大きく下落を続けてきましたから、過剰な「下げ相場」じゃ…ないかと疑っています。だって…日経平均株価は26000円台ですが…マザーズ株の水準の日経平均株価は16000円台と…なんと1万円も差が生じるのは、いくら何でも「やり過ぎ」なような気がしています。

この辺りの考え方を、自分がどう思うか?…で、今後の株式投資の戦略が変わります。…という事を「前提にして」本日から新しい期の有料の株式教室が開催されますから…その原稿をこれから書きます。

株式相場は基本的に、理屈通りに動いています。自分中心に世の中が動いている訳ではなく…市場の株価に「自分の買値を合わせる」作業が「市場原理主義」の考え方です。常に市場は正しく…市場に沿った政策が、必要だと考えるのが…市場原理主義の主張です。

岸田さん、パフォーマンスは、もう、どうでも良いのです。

ちゃんとした「実績」を残さないとなりません。あなたが今までやって来たことは、誰もが簡単に出来るバラマキ政策ばかりです。経済安保法も、基本はTSMCへの補助金の発行の話でしょう。もっと…しっかり働きなさい。

村社会論理は「講釈ばかり」なり…。株価が38915円を超えさせるのが、あなたの使命です。その後に「金融所得課税」を実施すれば良いのです。順番を間違わず…先ずは、目に見える実績を挙げてください。それではまた明日。

会員の方は、これから「新しいレポート」を作成します。たぶん更新は「深夜」になると思うので…明日にでもお読みください。



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