アーカイブ:2025年5月4日

株価の考え方 2

昨日はカタルの「これまでの経験」と、今年に入ってからの「研究」として、どうも株式の市場評価と言うのは、「成長性」と「収益性」の二つの要素により…株価は決まっているように思われるのです。実際に、このような財務面の見方を、今までは、していませんでした。誰も、教えてくれませんから、カタルは自分自身で、「相場を張って」…実証実験をして…カタル理論を高めるしかありません。

基本的には、このような作業の「研鑽」はそのデータ量に…比例します。たくさんのケースを検証することで、独自分析が確立されて行きます。皆さんは、何気なく…カタルが、例えば…「株価波動の転換は、前の二つの山を抜いたときに株価波動が変わったと判断させる。」と言うカタルの経験則を伝えています。

しかし「前の二つの山」の認定も、小さな山? 大きなヤマ? 

日経平均株価の日足推移

日足、週足、月足? 様々なものがあり「漠然」とした…表現です。カタルは、チャートだけを…重視しているのではなく、「市場の整合性」と言うほどですから…時代性や業績推移など…「複合的な比較」を用いて…株価判断しますが、皆さんのレベルでは、単純にチャート上の「二つの山を抜いたところ」と思うかもしれません。それでも…カタルの「何十年間の蓄積」の一つです。

日経平均株価の月足推移

この「格言」と言うか、「セオリー」いや、「法則性」かな? これを発見するまでに「沢山の実験」を経た…結論なのです。自分が、この法則を見つけるまで、通常は10年以上、色んなチャートを観て、判断することになります。それでも…その原則に「マッチしない」ケースが出てきます。そんなものなのです。確立された答えがあるわけではありません。漠然とした指標や考えかたのです。

今日は「株価の成り立ち」を理解する為の「お勉強会」です。

カタルはこのレポートを書くにあたり、「いい加減な事」は、書けませんから、なるべく…「正確性」を競いますが、それでも最近「発見した株価検証」を始めて…僅かな期間なのです。年初ですから…まだ、1年にもなりません。しかしカタルの場合は、これまでの「知識の蓄積」がありますから、皆さんが、ゼロから始めるより、ずっと早い分析が出来るはずでしょう。

それでは、昨日の「導入編」から…の続きです。

昨日は「オービック」(4684)を参考にして…その業績を追いました。基本的に小さな企業から「大人の企業」になる過程で、会社は、様々なステップを歩みます。通常は、同じ業種間で、企業の比較をします。でも業界の「垣根」の認定も「難しい」のです。

四季報の業過地図の SaaS

これはカタルが使っている…東洋経済の四季報の「業界図」です。その業界図の分類も、人により様々でしょう。この事例は SaaSはソフトウェアをクラウドで提供するもので、月額課金が基本のストック型のビジネスです。

仮に、日経新聞、他にWSJなどが、業界の区分けをするとすれば…その編集者の「主観」が入ります。特に、この分野の境目の判断は難しく…始まったばかりの産業で、まだ業界が「確立」されていません。

でも自動車などは、車の誕生から…かなりの年月が経って居り、世界の業界での「地位」は、ほぼ…確定しています。

しかし…今、この業界も「エンジン」から「EV」の世界に変り、此処に、クラウド上の「繋がる車」の概念から、自動運転まで…一気に飛躍期を迎えていますから「新規参入」も続々増えるのでしょう。実際に、中国の「BYD」が市場に生まれて…1995年の誕生ですから、僅か30年間です。しかし…既に「トヨタ」の牙城をも「凌駕する」存在に急成長しています。これは中国政府の「なりふり構わない」国家支援の賜物です。

少し前は、この手法は「ご法度」だったのです。

基礎開発は政府の支援がありますが…製品開発の分野まで、政府が支援をすることはなかったのですが、中国が…と言うより、日本もそうだったのですが、日本が「空洞化」時代を迎え…日本のお家芸の「モノマネ文化」を中国に教えたのです。

古くは韓国も同じです。今の「サムソン」があるのは、日本の技術者が流出して…韓国の半導体産業が急成長して…世界で首位になりました。今は中国がサムソンの技術を盗んでいます。同じことが繰り返されています。でも、台湾の「TSMC」が「下請け」から「受託生産」を、担うようになり…急成長して「サムソン」を凌駕しています。

もともと…「TSMC」は、単に「下請け工場」に過ぎなかったのですが、今では、その地位がメーカーをも…「逆転」し始めました。もともと「アップル」などの「ファブレス企業」の誕生が、世界の「生産分離」を加速させました。この変化に日本企業は、付いて…行けなかったのです。「総資産経営」の為に「分散」の「経営概念」がなかったのです。だから半導体産業は、衰退したとも言えます。あまりに「系列」に「拘り」過ぎました。

「エルピーダ」は、業界の「希望の星」として誕生しましたが、そもそも…政策当局に「産業支援の概念」が、その当時は「希薄」でした。だから…社長の坂本さんが、散々…奔走されたのですが「日本から」消えたのです。2012年に 米Micron Technology(マイクロンテクノロジー)に2000億円で買収されました。

このように「世界競争」で負けるようになり、近年は「安全保障」の概念も加わり、米国を始め…世界各国は「自国防衛」の道を歩んでいます。「ラピダス」は賛否両論あります。しかし「半導体産業」は、安全保障問題も絡み…国家開発すべきでしょう。今は「半導体株」の人気は、冷めています。しかしカタルはこの概念は間違っていると思っています。

今こそ…半導体株の買い場でしょう。最近にしては非常に珍しい報道を発見しました。此方です。

この加藤さんは、たまたま…「半導体相場」の恩恵(時代の流れ)を受けたに過ぎないかもしれませんが、カタルは「普通の株価評価」になって来た…半導体株、特に「東京エレクトロン」(8035)などは「買い場」だろう…と思っています。ただし…読者のみなさんの時間軸と、この「買い場」と言う認識の時間軸は、全く「異質」のものです。多くの読者の方は、時間軸の把握も理解できません。

だからカタルは、その手法の一つとして…単純化して「チャート」を日足から週足にして、週足から月足を使った相場観を解説する時間を増やしています。最近の野村証券株の解説に「月足」を多用しているのは、実質経済から名目経済に移行する「時代の境目」だからです。その時代性を感じて欲しくて…月足を使って相場を解説しました。大きな時代の流れの話です。

「コメの価格」上昇は、その代表的な…現象の一つです。コメ価格の姿は、日本の「構造改革」を語っています。コメ農家のその多くは既に65歳以上で…コメを作らなくなった農家も多いのです。コメは少し前は「貨幣」だったのです。

江戸時代のサムライは「石高」(給料)で、地位が決まっていました。1万石以上の領主を「大名」として…分類したのです。その数は300ほどありましたが、その多くは3万石以下なのです。ネット上で調べると…様々な説があり、一説はよれば、7億5000万円と言う説がありますが、カタルは、もう一つの1万石は「27億円」と言う…年商説だろうと思っています。カタル自身は、此方の考え方を支持します。

「加賀」100万石と言いますが「天と地」の差です。その次は、「薩摩藩」の72.9万石、「伊達藩」の62.6万石と…続くそうです。まぁ歴史の話ではありませんが、何故、「野村証券」を解説する為に、「月足」を使って、時代の流れを感じて欲しいと述べているか? カタルが、「時代投資」が、最も大切な「キーワード」だと思っているからです。

今回は「米国株」の研究を経て…株価判断が、これまでの基礎知識の「PER」や「PBR」、更に「配当利回り」と言う基準だけではなく…近年は「M&A」が盛んになっており、企業価値の「概念」そのものが変化しています。その為に、買収の基準として…あるいは「新規上場」のIPOの基準として多用される「EBITDA」を参考にして、此処に…「キャッシュフロー」の概念を持ち込んで…株式価値の「判断」をしようと思っています。

この理由は、たまたま…「ジェイドG」(3558)の株価急落に遭い…カタルは会社の価値観は、「別の視点」もあるという分野を観れば…みなさんの株価に対する価値観が大きく変わると思うからです。

そこで…今回は「成長性」と「収益性」の観点から…考えられる株価判断の一つとして、米国株は、何故、好評価なのか? 

日本基準と違う…「投資尺度」で株価が動いているように感じています。その理由を含め…「時代投資」の意味を、理解して欲しくて…この連休を使って、なるべく分かりやすい解説に努めたいと思ってレポートを創っています。

このキャッシュフローの話も…カタルが「アマゾン」の株価評価を巡り…米国でも、散々…「割高説」が言われていました。今の「テスラ」と同じです。「テスラ」も、良く…「トヨタ」(7203)と比較されました。しかし「テスラ」の株価評価と「段違い」です。

その当時…アマゾンの「ジェフ・ベゾス」は「FCF」(フリーキャッシュフロー)の話をして居り、この数字が「黒字」の内なら…「成長を追う」ために、先行投資を続けると述べていました。この意味は、お金が付いてくるなら…「いくらでも…成長できる」と述べているのです。

昨日、NHKのプロジェクトXでH3ロケット開発の裏舞台の放送が在りました。あの開発は「JAXA」を中心にした「三菱重工」とターボの「IHI」の共同開発ですが、あんなもんはお金の「かけ度合い」に…開発速度は「比例」するのです。あのドキメント番組は、肝心な事を伝えていません。NHKのプロジューサーの「片手落ち」の報道です。でも「良い番組」なのですよ。でも「株屋の視点」では…ありません。

出来ることなら、その「開発費」と…「海外」の動向を比較すべきでした。「スペースX」が、何故、成功しているのか? マスクの会社ですが、彼の「なせる業」です。

日本は「村社会」なのです。「和を以て貴しとなす」と言う精神は、逆説的には「赤信号、みんなで渡れば怖くない」と言う日本人の…誰もが持っている「集団意識」です。

皆(国民)が、「時代を理解する」まで…無駄な時間を使っても、みんなが納得することを「優先」させるのですね。でも「ラピダス」の国家予算を観ると…分かるでしょう。例えば…こちらの報道があります。

更に、他にも…「色んな報道」があります。経済雑誌の東洋経済が、この報道です。分かりますね。お金の量に「進化」は比例をするのです。中国の躍進は、「国家プロジェクト」で…「法律」も関係ありません。死亡事故が起きても、自動運転技術の開発が優先される国です。

トヨタが「中国の後塵」を拝するのは…当たり前なのです。だから、米国は焦り…トランプが誕生して…今の「関税戦争」が起こっています。しかし…既に、「生産の概念」が古すぎるように感じています。

中国は、米国向けに産業ロボット(アンドロイドロボット)を使った「ネガティブ」キャンペーンを「英語版」で始めています。カタルも、「その通りだろう」と思っています。だからロボットの「最新話題」を、皆さんに紹介をして、「ファナック」(6954)に「肩入れ」しています。

何故、キャッシュフローの概念が大切なのか? 

お金が「進化の速度」を決めるのです。経営とは…その「バランス感覚」にあるのです。カタルはトヨタの「ウーブン・シティ」(Woven City)を批判しました。一企業がするべき実験ではないと思っています。でも大切な事なのです。

この技術の積み重ねが…未来の進化に繋がるからです。しかし…、目先は「BYDとの競争」に、負け続けているのに、そんな開発費を使うなら、EV開発であり、ADVやSDVなどの新分野にお金をかけるべきでしょう。このバランス感覚を批判したのです。

挙句の果てに…時代の流れに押され、「豊田自動織機」のMBO計画浮上です。「松下」や「日立」と時代認識の違いを批判しています。そもそも…日本国内に300万台の生産体制維持をいう事が「時代錯誤」に見えます。ファナックのような「自動工場」の建設なら分かるのです。

だからお金と言うのは、その「使い方」が問題になります。僕らは金持ちになったら社会貢献をするのですね。その為に市場原理を学ぶのです。今日は具体論に至りませんでしたが、お金の大切さ、企業の成長性と収益性、更に「EBITDA」やキャッシュフローの概念から、現金保有や自己資本比率を始め…時価総額の見方をこれから解説していきます。

「キーエンス」(6861)の業績推移

今日はソフトではなく「製造業」の雄である…「キーエンス」(6861)の業績推移を観てください。「キーエンス」の成長性は、この10年間は14.18%ですが…その収益性である売上高営業利益率は実にこの10年間で53.0%と言う驚異的な数字なのです。

キーエンスのEBITDAは5649億68百万円で現在の時価総額は15兆2831億円ですから、その倍率は27.0倍で…更に「営業CF」では4095億22百万円ですから、その回収期間は37年も掛かります。市場評価は驚異的な有利性の53%の利益ですから、収益性は高く…その株価評価はやはり…高いのです。

因みに…キーエンスの「PSR」は14倍の評価です。キーエンスの主力は、FA向けの「センサー」と言われています。製造業ですが…その強みは顧客に寄り添った…「営業力」にあると言われています。他は真似が出来ません。

此処で、想い出すのが…オランダのAMSLです。

半導体のEUV(極紫外線)露光装置で世界一の会社です。しかし…少し前は、日本の「ニコン」(7731)と「キヤノン」(7757)の2強時代だったのです。このEUVの開発で競争に敗れ…その後、「露光装置時代」の性能は「勝っている」との…評価もあったのですが、日本勢は、開発者同士の繋がりの「人的な関係」を築くことが出来なかったと言います。この繋がり具合が、敗因とも言われているのです。

今の半導体メーカーである韓国のサムソンや…近年はHBMの関係で…その地位は「SK hynix」(SKハイニックス)が逆転しています。台湾のTSMCなどの開発者と…共同で半導体開発をしています。この「人間の繋がり」が、強みになっているのです。オランダの首相、自らが…「ラピダス」の工場見学をする「熱の入れよう」です。このASMLの業績は此方のサイトです。

この数字は四半期決算ですから4倍にすると…成長力は17.6%ですね。そうして利益率は13四半期の平均値は32.6%です。時価総額は約3939億ユーロです。日経新聞には、PERは25.14倍、PBRは14.2倍、配当利回りは1.22%ROEが載っており48.6%になっています。分かりますか? 

単純に「営業利益率」の話をしていますが、その背後にある「人的な関係」が支えた「収益」なのです。「キーエンス」も同じだ…と言われています。だから「ラピダス」の設置が決まると…「エレクトロン」なども、現地事務所を直ぐに立ち上げ…人員を配置しています。全ては「先行投資」です。そのカタルの一押し企業の「エレクトロン」も、ついでに…観ておきましょう。何しろ、カタルの親戚が勤務しています。

この成長力は、この10年間は16.4%ですが、利益率は少し劣りますが、それでも10年平均で24.11%です。基本的な株価評価はこの二つを観ますが、ここに…7594億67百万円の「EBITDA」や5821億74百万円の営業CFなどの総合評価が現在の時価総額である9兆9703億円の評価になっています。

PERでは17倍、PBRは5.26倍、配当利回りは2.92%です。EBITDA評価で13倍、営業CFでは、その投資金額の回収は17.1年です。意外にエレクトロンの「PSR」は低く…4.1倍です。まぁ売上高営業利益率は好調な外部環境の現在でも26.8%に過ぎませんからね。まぁ4.1倍は割安のようにも見えますが、妥当な水準かも知れません。

本日も長くなりました。ゴメンね。きっと疲れるでしょう。要するに…業種により業績評価は変わります。今日は製造業を中心に代表的な半導体産業と最高峰とされるキーエンスを題材にしました。明日は人気株である、日立や重工などの日本を代表する企業も知って置く必要があると考えています。このように様々なケースを観て、自分の相場観に役立てるのです。今日は、これにて…お終いです。



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