アーカイブ:2025年5月18日

構造改革

株屋と言うのは大変です。最近の医者もそうでしょうが…素人が簡単に「ネット」上で、最近の「医療状況」を入手できます。最近の検索機能はAIのお陰で…「格段に」進歩しています。だからカタルも原稿を書く上で…知らないことを「AI」に聞きます。そうすると…瞬時に世界の「最近事情」を教えてくれます。でも専門家でも「試行錯誤」の世界ですから「間違う」訳です。

「大阪チタン」(5726)の 週足

カタルは「大阪チタン」(5726)の失敗から、色んなことを勉強しました。一番は、米国株の観察です。だから米国株動向を観察するようになって…2年間程度は経過するのかな?

その為に更に磨きがかかったのでしょう。基本的な「経済論理」は、何処も…同じ理屈です。「景気循環」も、その会社の「成長ステップ」も…同じなのです。でも経営者は「難しい判断」をしなくてはなりません。

例えば…未来の技術に投資する場合、「実験」では技術が確立していても…「量産」の段階では別物になります。だから新工場が出来ても…直ぐに量産が開始にならない場合が「村田製作」(6981)のケースでありました。

島根県出雲市にある出雲村田製作所では、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の新工場を建設しました。この新工場は、急増する需要に対応するために建設されましたが、量産体制の確立には時間を要したのです。確か…このケースは、半年か…1年ほどの違いでしたから大きな株価変動になりませんでした。

しかし…今は、大変ですよ。新工場の「立ち上げ」を決めても…実際に、用地の決定から買収まで…1年以上の歳月がかかるでしょう。工場建設は、更に、2年ほど…は、要するのでしょう。この間に…「経済情勢」はコロコロ…変わります。トランプは、簡単に「工場移転」と言いますが、自動車産業は裾野が広く…非常に巨大です。メーカーだけの話ではないのです。半導体も同じです。

このような「時代の読み」の間違いにより、「相場」を間違う事があります。時間軸の「横ずれ」です。

最近、カタル自身も引っ掛かったのは…「EV」の開発です。この投資は「数年遅れ」になっています。「EV」の販売が不振になって…「HV」の市場が盛り返したために、自動車各社は「EV」への投資を、「ストップ」した為です。

「新電元」(6844)の 週足

「新電元」(6844)の相場も…そうですが、

「スミダコーポ」(6817)の 週足


「モーター関連」の投資も遅れました。 具体的には…「スミダコーポ」(6817)の株価です。「スミダ」は、増産を見込み…「新工場」を立ち上げましたが「空振り」です。その為に「減価償却費」だけは掛かりますが、肝心の「需要」がないのです。

「ローム」(6963) の週足

同じことは…「ローム」(6963)にも言えます。最近、「ローム」と「デンソー」(6902)は資本提携まで発表しており、パワー半導体を共同開発します。

此処に「ルネサスエレク」(6723)も絡むのですが「ルネサス」の工場も、稼働する予定が「おじゃん」になりました。山梨の甲府工場です。2022年は900億円の設備投資をしています。今は、インドで大規模な「設備投資」をします。

この「パワー半導体」絡みの需要は、大きく伸びるのです。なんと「ローム」の場合は、2021年比で35倍の生産を見込んで…工場の新設を計画していたほどです。でも国内では「最有力」ですが…世界では負け組なのです。


ST Microelectronics (STM)の 株価推移

珍しく…イタリアとフランスの合弁会社の本社はスイスで登記上はオランダの「STマイクロエレクトロニクス」が、この世界ではトップです。だからこの狙いなら米国の上場しているST Microelectronics (STM)の株価25.82ドルを買う事になります。


ON Semiconductor Corp. (ON) の株価推移

そうして2番手は米国の「オンセミ」です。こっちの方が良いのかもしれませんね。ON Semiconductor Corp. (ON)と言う会社で…株価は100ドル台から下がっており今は44.92ドルかな? 

この両者で「世界シェア」の50%以上なのだそうですが…でも最近は「中国の台頭」が凄いのです。中国のメーカーと、日本メーカーの差は、既に「歴然」としています。日経新聞が書かないだけです。

「ニデック」(6594)は「電動アスクル」の中国市場の競争から撤退したのです。でも今回は「トヨタ」(7203)から…その技術力を認められました。しかし「価格競争」では…とても、「中国の要求」に応じられないのです。

中国の国家戦略は、先ずは「覇権」を握るのです。「鉄鋼」でも「太陽光パネル」でも…同じです。そうして「過当競争」で「赤字」になっても「戦い」を続けて…今回の「太陽光パネル」は大赤字になってから、初めて「縮小」です。これでは…「世界の製造業」は、中国企業には勝てません。当たり前です。国を挙げて…中国国内メーカーを支援します。

辛うじて「AI」の世界は、まだ「エヌビディア」(NVDA)が有利ですが…「ファーウェイ」の成長力が、凄いのです。既に「H20」(GPUの製品名)ラインの技術水準の実現です。辛うじて…米国が、まだ先行しています。

でも日本のメーカーは、挙って「ディープシーク」を搭載した車を「実用化」しています。実用化で先行できるなら、「データの保全」が、先行するのです。AIの「性能の違い」に繋がります。そもそも…日本の企業は、本当に「とろい」のですよ。おそらく総体的に観て…10年程度は、極端かな? でもかなり…遅れているのでしょう。

今日は、専門的な話に踏み込み「現実」の解説を交えて…日本の「構造改革」の話をしようと思っています。

昨日の「日立」(6501)の話を「ヒント」にして、自分で…「日立の中期計画」を観た人が、この読者の中に、何人、いるのでしょう。先ずは…「自分で考えない」と駄目なのです。「日立」は、非常に大きな会社ですから…構造改革の浸透にも「時間」が掛かります。

小さな会社は、経営者が決断をすれば、船は方向転換を、直ぐに出来ます。しかし…大きな会社の構造改革は、時間が掛かります。今回の日立グループの整理は、まだ続いています。「日立建機」や「日立金属」から「日立化成」など…

たぶん…株価が大きく評価されたのは、「利益率の向上」に、「経営の舵」を切ったためでしょう。ものを生産する発想から「仕組みの利益」を重視する「サブスクリプション」の概念の導入です。プラットホーム事業ですね。

今回の説明会にもありますが、「ルマーダ」(Lumada)の活用です。この売上収益比率を高めて「EBITDA」を向上させる…話があります。それも…2027年に達成させようとしています。この時間感覚です。

「日立」(6501)の 中期計画

「日立」が「先進的に見える」のは、経営目標に「EBITDA」の概念などを持ってきており、尚且つ、「配当性向」と「自社株買い」による…今期の株主「総還元性向」は80%以上なのです。稼ぎ出す利益の80%以上を「株主に還元する」と言います。

「日立」(6501)と言う…「モデルケース」(目標)が出てきたので、慌てたのが「トヨタ」(7203)です。「日本製鉄」(5401)もどんどん「内部改革」を加速させるでしょう。

最近の日本は、東証の「PBR」改革も「グロース市場」改革も、同じ方向性を向いています。政府も、この方向性で動いています。だから「新NISA」の活用なのです。ここで…こちらの報道がありました。

今の株式市場は、本当に…「馬鹿みたいな金額」の評価の「株価」がゴロゴロ…しています。何故、生命保険会社などが、こんな「宝物」を見逃すのでしょう。本当にトップは、大馬鹿なのです。みんな…5年以内に、その株価は、2倍~3倍になります。

最近になって、ようやく…金融機関は動き出したのです。

「超長期国債」の30年物の金利 推移

例えば、ここに来て「超長期国債」の30年物の金利が、3%近くに…急上昇しています。この意味は、カタルが前から述べていた「淘汰の時代」がやって来たのですよ。

「日産自動車」(7201)の横須賀の追浜工場、平塚にある湘南工場の閉鎖から…「パナソニック」(6752)の1万人削減(国内は5000人との報道)で群馬工場(大泉町)も対象か? 更に…「JDL」(6740)の1500人の削減など…。すべて…「物を生産する」製造業の話です。

でも「リクルート」(6098)も、4000人の人員削減です。此方はAI革命です。

だから…カタルは「少子高齢化」が進んでいる…日本にとって「チャンス」がやって来たと思っています。

日本は、もともと「生産人口」が、どんどん…減っています。人への投資から「AI」から「ロボット」…特に「アンドロイド・ロボット」(人型)でしょう。日本では「ファナック」(6954)や「トヨタ」などが出資する「プリファードネットワークス」に「期待」を賭けているのです。最近は「三菱商事」(8508)と「インターネットイニシアティブ」(3774=IIJ)と共同で、「生成AI」基盤の話が出ていますが…肝心の「成果」が生まれません。

問題は「時間」なのです。日本人が、最も苦手にする…「時間の概念」が大切です。

「トヨタ」も「出光興産」(5019)と共同で「全個体電池」の実用化の段階に入ります。でも…これから上場する「CATL」が、香港市場に上場しますが、幹事から米国を外しました。まだ多少は、日本に…この分野は「優位性」があると報道されていますが…最後は、お金の量に「進化」は比例します。

話は、逸れましたが…「人員削減」から「技術進化」まで…。兎に角、激しい…「下剋上」の世界です。

此処で…ようやく「地銀」が動き出したのですが、こちらの報道です。「しずおかフィナンシャルグループ(5831=静岡銀行)は、地銀のなかでも…上位の会社です。静岡は「スルガ」(8358)もそうですが、日本のなかでは、なかなか…先進的なところがある「地方」なのです。

この報道は、これから…日本全体に広がります。地銀が動くという事はようやく…横軸に構造改革が広がります。一般的な感覚になるのですね。だから「淘汰の時代」になると…カタルは述べていたのです。云った通り…年金族の老人から、働く若者へ、「所得の移転」が進み始めています。「コメ価格」の上昇は、ほんの一例です。

ここでも「イオン」が700%かな? 高い関税を払って輸入した「カルフォニア米」を販売しますが…日本の「農業政策」が、問われます。高い「関税」を払っても…米国産の方が安いのです。もうチンタラした「時間闘争」の「成田時間」の卒業が「待ったなし」なのです。だから我々…年寄りの年金族は、「生活防衛」のために「株式投資」をするのです。

ざっと…今の時代解説を走って…解説しました。簡単に日本の「構造改革」と一言で…述べた裏には、様々な現象があるのです。そうです。時間軸の「ものさし」になる「市場の整合性」の話しなのです。

カタルが「トランプ関税」より「日本の構造改革」が勝る…と述べた意味を理解されたでしょうか? 「様々なデータ」(状況証拠)が、その「時代の到来」を告げています。

読者の皆さんは、簡単に「時間軸を超える」成果を求めますが、そんな「神業」が出来る奴が居るなら…カタルも、そいつに一任します。利益の50%以上を、「手数料」で進呈します。今のカタルには、これが「限度」なのでしょう。これだけ…「色々」見るのは、皆さんが「考えている」以上に…「大変な労力」なのです。一度、自分でやってみれば…分かります。そんな事で…「愚痴」を交えたレポートでした。上手く…行かないとこうなります。

だから「小さな成功」を積み上げていくしかありません。また…明日。



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